カフェin奈良県橿原市 その1

がんカフェバナー2

奈良県橿原市某所にて開催。

今回の語らいカフェで印象に残った言葉をお伝えいたします。
語らいの中で、何点かみんなで考えていきたい課題が出てきました。
そちらも順次ご紹介していきます。

ご意見・ご感想など、どんどんお寄せください。


●こちらの方は前立腺がんの告知を受けておられます。

Q:がん告知の直後に考えられたことは?

A:直後は自分の寿命について、治療のやり方や治療費はどのくらいかかるのか?を考えた。
インターネットが使えるので昼夜関係なく調べまくった。
他人になかなか話せるようなことではないし、家族にも心配をさせたくなかったので、
ひとりで居るときのインターネットのありがたさを感じた。

Q:がん告知を受け入れられてからのお気持ちは?

A:落ち着いてからは、一回きりの人生。
積極的に楽しく悔いのない人生を過ごそうと思っている。
やるかやらないか悩むときは、やること(実行)にしている。
人の役に立ちたい、そんな思いが芽生えている。


いつもどこかで<出張・出前>がん語らいカフェ!
次回もご要望に応じて開催いたします。私の体験談をただひたすら聞いてほしい!
気持ちが追いつめられる前に、誰かに話だけでも聞いてほしい!という方は、
ぜひ下江(シモエ)までお声かけて下さい。

■電話:06-6769-1120(平日09:00~17:30 ※土・日・祝は不在のため、メール下さい)
■E-Mail: ask@asl-genki.jp(年中無休受付)

鈴木さんへの質問箱

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鈴木様に届いた質問をご紹介いたします。
(一部編集させていただいています。)


●奈良県在住・N様よりご質問・その1

(NPOがんカフェHPから)■鈴木様「がん患者の方たちが語り合える場、患者会でもカフェ、ネットワークでもいいんですが、そういったものの必要性を強く感じますね」

(上記内容を受けて)「現在、病院内がんサロンや相談窓口、患者会のサロン、がん哲学外来カフェなど、かなりの勢いで、がん患者さんたちが語り合える場所ができていますが、(数的なもの、質的な事も含め)まだまだ不十分という事でしょうか? 
それとも、そういう語り合える場があることを、知らない患者さんたちが多いということでしょうか?」

●鈴木様よりお答え

「患者会、がんサロンなど、どこかで聞いたことはあっても、実際にどこに行けば良いのか、誰に聞けば良いのか分からないし・・・というのが現状ではないでしょうか。

がん難民という言葉をご存知かと思いますが、実際に大規模の病院以外ではがん患者さんや家族に対して積極的に窓口を設けたり、相談に応えられたりするような体制になっていないことは事実です。
がん難民がまさにそうですね。
次々に転院しないといけないというのも経済的負担もありますし、患者本人と支える家族の精神的負担も大きくなります。

それもみな、情報を得られる<場>があることを知る機会が少ないためだと考えています。
実際に看護師をしておりましたから、看護師としてハードな仕事をこなしながら経済的な相談や精神的な面でのフォローが、全患者さんと家族の皆さんに対して同時に出来るかと言えばそれは困難なことでした。
いろいろ偏りがあってもいけませんし。
今こうして患者という立場にたってみて、私は看護師だったから普通に質問出来ることも一般の患者さんが同じような専門知識を持ち合わせながら、担当の看護師さんやお医者さん方に向けて気軽に質問できるものではないと思います。

ではどのようにインフォメーションしていくか。
そのためにも私の仲間達やNPOのメンバーと一緒に情報や知識を発信していくことが大事なんじゃないかなと。
インターネットに頼りすぎる時代も考え物です。
パソコンが使える環境にいる方は良いですが、そうでない方もたくさんいらっしゃるはずです。
その場合はどうするか?皆でもっとアイデアを出す必要があります。
インターネット出来る方は、“大阪がんええナビ”と入力して検索してみてください。一度ご覧になってみられたらいかがでしょう」

■大阪がんええナビ:http://www.osaka-anavi.jp/


●奈良県在住・N様よりご質問・その2

(NPOがんカフェHPより)■鈴木様「そうですね、がん患者が安心して在宅で生活できる支援に関わりたいですね。がんカフェの企画や政府への働きかけ、ボランティア等、いろんな活動ですね」

(上記内容を受けて)「今、鈴木さんは、サロンなどでお話をされたり、愚痴を聴かれたりと活動されているのですね。鈴木さんの考える『がんカフェの企画』、『がん患者が安心して在宅で生活できる支援』には、今なにが不足していて、どんなことがあれば安心できるのか?』などの意見を伺いたいなと思います」

●鈴木様よりお答え

「今は私の病室にてインタビューに答えています(編注:2014年9月、再入院されました)。
自身のブログでも情報を発信していますから、一度見ていただけたらと思います。(■鈴木さんブログ「ハッスル闘病記!」http://ameblo.jp/tokiyo0625/

支援について考えることは、働き盛りの世代が<がん>になった時に収入がなくなることが問題で、それを解決できる具体的な施策はないものかそのあたりが課題ではないでしょうか。
医療費はかかります。貯蓄も底をつきます。がん保険に入っていたらまだ状況は良い方だと思いますがそれも限りがあります。
収入が途絶えてしまうと、生活保護に頼らざるを得ない状況に追い込まれます。
理解ある企業や職場であれば様々な形でサポートしてくれることが期待されますが、全部がそうだとは思っていません。
それに収入がない、貯蓄がないからと言って、安易に皆が生活保護を求めるようでは国の財政負担もたいへんになってきます。
私の場合は優秀なケアマネージャーさんが介護保険の使い方などで、私の負担するところが少なくなるようにサポートしてくれていますので、本当に助かっていますが・・・。

がん対策として、介護保険のような仕組みも検討する必要があるのではないでしょうか。
がんに罹ったら必ず申請するとか、登録制にして役場や支援センターのようなところに行きそこでいろんな情報を得たり、相談にのってもらう等のことが考えられると思います。
高齢者重視の対策も必要ですが、がんは治る時代です。
将来はもっと医療も発達するでしょうし、働く若い世代が<がん>になっても社会に復帰ししっかり働ける人材として、社会に貢献できる仕組みが出来れば、先ほども話にもありましたががん難民の救済にもつながっていくのではないかと思います」


こちらのページもご覧ください。
■鈴木さんへのインタビュー連載114932sclick!

■鈴木さんのブログ「ハッスル闘病記!」
http://ameblo.jp/tokiyo0625/


感想メッセージやがんに関する質問等がありましたら、メールにて受付中です。
皆様からの声をお待ちしています!
■E-Mail: ask@asl-genki.jp

私の役目は・・・

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鈴木さんのお話、5回目です。
鈴木さんの声・言葉から、多くのヒントや励み等を
見つけていただけると幸いです。
(敬称略:インタビュー日付-2014年8月7日)


●頼れるところは頼って自立を目指す
下江:「鈴木さんのお話を伺っていると、何だかドキュメンタリー
    映像になりそうですね。それで、がん患者の方たちの現状
    が、社会に分かってもらえれば…などと思いました」
鈴木:「私ができることならば、何でもしようと思っています。ケア
    マネージャーでしたから、認知症の方、そのご家族の方の
    ことも、もちろんがんのことも分かります。何かを抱えて
    生きていくのは大変なことなんです。でも、できるだけ
    苦痛は取り除いて、人間死ぬまで笑って生活したいじゃ
    ないですか。
    いろんな人に出会いたいと思っているので、入院よりも家
    での療養を選びました。今は週3回、自宅まで点滴に来て
    もらっています。少しでも使える社会資源は使わせて
    もらって、頼れるところは頼って、自立していけるように、
    と思っています」
下江:「そのためにそもそも保険制度があるんですよね」
鈴木:「でも、何から何までおんぶに抱っこでの生活でも、思い
    切って笑えないんですよね(笑)。それでも、お医者さん
    の力を借りれるところは借りて、苦痛・痛みは取り除いて、
    自分でしっかり立って、自分のできることをする。
    それが私のやること、役目だと思います」

●生き延びんとあかん、私の役目がある!
下江:「当NPOも社会の役に立てることは何か、ということで、いろ
    いろ手探りで情報を集めました。その中で、認知症の方や
    がん患者の方たちが困っているという問題にたどり着き
    ました」
鈴木:「私たち、特に私はでしょうけれども、がん患者としての経験
    を世の中の誰かに伝えて役に立ちたい、しかしどうして
    いいか分かりませんでした。家に引きこもっては人と出会え
    ないし、ブログ等で発信していくしかないのか…と困っていた
    ところで、下江さんたちと知り合うことができました。
    とてもタイミングがよかったと思っています(笑)」
下江:「そう言っていだけると、こちらもうれしいです」
鈴木:「私も、この病気からいろいろと学びましたし、病気になって
    からまさかパートナーができるとも思っていませんでした。
    彼も私の病気を通して、がん患者の気持ちや家族の
    置かれた状況を勉強したと言うんです。それで、『これから
    自分も違う人生が送れる』と言ってくれたのは、本当に
    うれしかったです。
    せっかくこの病気になったんだから、チャンスなんだと
    思います。
    これは私の生きる目標ですね、私の生きざまを皆さんに
    見てもらうために、どこへでも行くと決めてます。
    この病気になって、いろんな人との出会いが一期一会
    じゃないですが、本当に貴重です。
    そのためにも、“生き延びんとあかん、私の役目がある!”
    と思っています」
下江:「長い時間、貴重なお話をいただき、本当にありがとう
    ございます。
    こちらも鈴木さんからパワーをいただいた感じです。今後も、
    当NPOは鈴木さんをはじめとするがん患者さんたちを支援
    したいと思っています。
    また、お話を伺うことがあると思いますが、その際は
    よろしくお願いします。
    そして、今後も鈴木さんのご闘病を心から応援いたします」


鈴木さんのブログをご覧の方はご存じかもしれませんが、
9月30日現在、再入院しておられ再びがんと闘っていらしゃいます。
どうか、ご回復されますように!
そして元気になられたらまたお話を伺い、お声をどんどん掲載したいと思っています。

鈴木さん、私たちはあなたを応援しています!


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プロポーズ!!

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鈴木さんのお話、4回目です。
鈴木さんの声・言葉から、多くのヒントや励み等を
見つけていただけると幸いです。

(敬称略:インタビュー日付-2014年8月7日)


●突然のプロポーズ
下江:「立ち入ったことをお聞きしたいのですが、よろしい
    でしょうか」
鈴木:「答えられることなら、どうぞ」
下江:「ご家族の環境についてお聞きしたいのですが…」
鈴木:「夫とは病気になる以前の7年前からうまく行ってなくて、
    3月に離婚しました。ところが、ずっといい友人であった男性
    が昨暮から真剣になって、『あなたをずっと応援する、支え
    ます』と言い出したんです。まだ、離婚が成立する前でした
    が、彼とは遠距離でもありましたし、何しろ自分がこんな
    状態なので、『頼むから健康な人と一緒になって』と
    言いました。
    それでも、メールや電話のやり取りが増えるにつれて、彼は
    深みにはまっていったようで(笑)、離婚も決定していました
    から、私も彼の申し出を受けることにしました」
下江:「それはまた(笑)!」
鈴木:「遠距離とはいえ、彼の存在は大きいですね(笑)。私が
    大阪を離れることができないので、彼が大阪に来ると言って
    います。ですが、現地で商売をやっているんで、その始末が
    ついてからになると思います。
    いつもメールや電話で、『体調はどうだ、食べれてるか』と
    言ってくれたり、マーカー(がんの値)が下がった時は一緒に
    喜んでくれました(笑)。
    いい時も悪い時も、彼は私の状態を全てわかってくれて
    います。彼は『お前の足になりたい、自分たちの経験が役に
    立つなら、どこへでも行こう』と言ってくれてます。
    がんの人たちに希望を持って生きてもらうために、それが
    できるのはうれしいことだと、私たちは思っています」

●人の役に立てる何かがしたい
下江:「ところで改めてですが、鈴木さんの人生観は病気に
    よって、どのように変わりましたか」
鈴木:「看護師時代は、管理職として若手を育ててきましたし、
    がむしゃらに働いてましたんで、それなりに収入も多かった
    です。
    しかし、今では“収入なんかどうでもいい、自分たちが
    食べる分だけでいい“と思っています。そして、病気で
    元気のない人が元気になってくれればいい、そういう
    機会や場があれば、出かけて行きたい、お役に立てる
    何かがしたいと思っています。
    その理由の1つには、そんな機会がなければ引きこもりの
    状態になって面白くないからです。しんどくても“社会と
    つながっていたい”のです。グループワークや診察以外
    でしたら、どこへでも行って、病気の方とお話がしたい
    ですね。
    友達との付き合いも大事にしたいです。実は、先日、
    昔の同僚仲間と温泉旅行に行ってきたんですよ。みな
    看護師ですから、何かあった時も安心ですし、何よりも
    看護師時代は仕事ばかりで、旅行になんか行ったことも
    なかったんです(笑)」

●ネイルでモチベーションアップ!
下江:「先ほどから気になってたんですが、ネイルアートをされて
    ますね(笑)」
鈴木:「はい(笑)。看護師時代は仕事柄できませんでしたから、
    それもありますが、ちょっとでもおしゃれをして、病気への
    モチベーションを上げるためにも楽しんでます」
~次回へ続く~


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前向きさの秘密は?

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鈴木さんのお話、3回目です。
鈴木さんの声・言葉から、多くのヒントや励み等を
見つけていただけると幸いです。

(敬称略:インタビュー日付-2014年8月7日)


●気持ちがいいことをすれば免疫力もアップ
下江:「(~前回から続き~)鈴木さんはとても病気に対しても
    前向きなのですが、それはどこから来ているのでしょうか」
鈴木:「昔から、自分は一人ぼっちでいることがだめでした。
    誰か仲間がいるということが大きいと思います。
    仲間がいると心強くなれます。だから、私の経験を
    話したいとも思えます。
    先日参加したグループワークでも、“自分ががんという
    ことを受け入れられない“という方がいらっしゃいました。
    その方とお話がしたいとずっと気になっています。
    私の場合は、葛藤はありましたが、“病気になったから
    仕方ない“と気持ちを切り変えました。そのようにマイナス
    思考というんですか、そう思い悩んでいる時間の方が
    もったいないと。気分が落ち込むと免疫力も低下します。
    自分の気持ちのよいことを1つでもしないと、免疫力
    は上がりません。その方は、治療の経過もよかったので、
    もったいないと思うのです。
    命が限られているとしても、楽しい時間を増やしたい
    じゃないですか」

●がんはメンタル面に大きく影響する病気
下江:「鈴木さんは外見上、見た感じではがん患者だとは
    分からないですよね」
    (※インタビュー時平成26年8月7日)
鈴木:「“がん”とは不思議な病気です。こう言うと語弊がある
    かもしれませんが、治療したからよくなるというものでも
    ないのです。
    むしろ、“メンタル面”が大きいですね。それは副作用の
    影響が大きく心身に出るからです。お医者さんから
    見離されてから治る人、最初から治療を受けない人、
    いろんな人がいます。
    私は治療は否定しませんでしたから、治療を受けました。
    しかし、抗がん剤はがん細胞を攻撃するだけではなく、
    健康な細胞も同時に攻撃するんです。私の場合は、
    後者のダメージが大きく出ました。1年間、苦しみながら
    がんばりましたが、これからは副作用に苦しむことはない
    と思うと、開放感があります(笑)」

●治療を止めたら、がんの値が下がった!
下江:「でも、今でも服薬はされてるのですよね」
鈴木:「抗がん剤治療は止めましたが、その副作用はまだ消えて
    いません。身体のしびれや食欲低下などです。でも髪の毛
    なども生えだしましたし、副作用の恐怖はなくなっています。
    今飲んでいるのは、肺の痛みやひどい咳を抑えるための
    麻酔薬ですね。朝・晩の1日2回です。しかし、それに
    対する副作用(吐き気)が出るため、これを止める薬も毎朝
    服用しています。
    肺の状態が落ち着けば、この薬も止めていきたいと思って
    います。今はそれまでの“薬に助けてもらってる”状態だと
    思っています。体力をつけるため、できるだけ食べるように
    してますし、バランスを見ながら薬とは付き合っていきたい
    と思っています」
下江:「そのような状態で本当に大丈夫ですか」
鈴木:「ここに私のレントゲン写真があるのですが(それを指し示し
    ながら)、看護師でしたので一目で『汚い=がん』だと分かり
    ます。正常な部分は白いのですが、黒くなっている部分は
    がんで“空洞”になっているんです。お医者さんからは、
    これ以上小さくならない、広がる危険性もある、進行を
    抑えないと…と言われています。
    でも、不思議なことに、がんの値を示す『腫瘍マーカー』と
    いうのがあるんですが、その中の『CA19』という値が治療を
    打ち切った5月で『2万4,000』ありました。これは、健康
    な人なら『20以下』のものです(苦笑)。それが今では、
    『1万400』に下がっているのです。今まで上がる一方だった
    ので、免疫力がアップしたのか、手応えを感じています。
    今度、お医者さんにその辺を聞いてみようと思ってます」
下江:「鈴木さんの前向きな生き方が、病気にも反映しているの
    でしょうか、すごいことですし、不思議ですね」
~次回へ続く~


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生活と、闘病と。

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鈴木さんのお話、2回目です。
鈴木さんの声・言葉から、多くのヒントや励み等を
見つけていただけると幸いです。

(敬称略:インタビュー日付-2014年8月7日)


●ある看護師さんとの出会い
下江:「今回も、大変な中、お話いただけるということで、
ありがとうございます」
鈴木:「いいえ、どこへでも行って話をしたいという気持ち
に変わりないので、大丈夫ですよ(笑)」
下江:「がん患者の方々が参加できるような集いの場、と
いうのはあるのですか」
鈴木:「はい、少ないながらもありますね。実は先日も、
2日間のグループワークのようなものがあって、
行ってきました。この身体ですので、ちょっと無鉄砲
かもしれなかったのですが(笑)。
それは患者だけでなく、看護師も多く参加されて
いました。昔、私が勤めていた病院の同僚も来て
くれてうれしかったですね。
そこで、1人の看護師の方と出会ったのが印象に
残っています」
下江:「それはどんなことだったのですか」
鈴木:「その方は、軽い気持ちで患者の声を聞いてみよう
という感じで来られてたとのことでした。ところが、
私の姿を見て、“命をかけて来てる人がいる、軽い
気持ちで来た自分が恥ずかしくなった“と話して
くれたのです。
お昼の時間になって、私は食べれそうなものを
持参してきてはいたのですが、その方が声を
かけてきてくれて、”何か食べやすいものを買って
来ましょう“と。それでゼリーを買ってきてくれたん
です。帰りも車の手配をしてはいたのですが、
その方は“帰りは大丈夫ですか?車で送りましょう
か“と。また、次の研修があったら送りますよとも
言っていただきました。
明らかにその方の姿勢が変わっていましたね」

●今は“この病気になってよかった”と感謝
下江:「いろんな病気に接している看護師の方でも、患者
さんの深い気持ちまでは分からないのですね」
鈴木:「私もこの病気になってからは、今までの自分の
がむしゃらな生き方とは違う、1日1日が貴重な
時間です。毎日が気づかせてもらったり、感謝
したりの繰り返しですね。
だから“この病気になってよかった”と今は感謝
しています(笑)。もちろん、いろんな人の力や応援
をもらっています。みんなが応援してくれている、
そして仲間がいるってことはとても心強いです。
その中で、自分でできることは自分でやりたいの
です。そして、元気になったら、皆さんに恩返しが
したいですね、看護師資格も活かして」

●心配なのは、やはり収入のこと
下江:「ところで、お仕事を辞めてらっしゃるので、失礼
ですが、生活の方は大丈夫ですか」
鈴木:「患者さんが一番心配・問題なのが、やはり収入
のことです。
この病気は、40代、50代の働き盛りの人たちが
多いので、治療で皆さん収入が減ることになります。
私も今は傷病手当のみで生活していますが、期限
は1年半なのでこの10月半ばで切れてしまいます。
失業保険は3年間猶予があるので、元気になれば
使うことができます。先日、担当のケースワーカー
さんに聞いたら、障害年金の対象になるとのことで、
お医者さんに診断書を書いてもらい、それが役所に
通れば、お金をもらうことができます。
ただ、私が元気になったとしても元のハードな看護師
の仕事には戻れないでしょうね。他の仕事を探さない
といけないでしょうが、それも楽しいことかな、
チャレンジだなと思っています(笑)」
「そんな状態ですが、普通は65歳以上でないと
もらえない介護保険が申請できるとのことで、申請
して“要支援2”の認定を受けました。自分はケア
マネージャーの資格を持ってますが、これで介護
する側、される側両方のことが分かるようになりました。
“いろんな経験させてもらってるな、面白いな”と、
自分を客観的に見れるのも面白いですね(笑)」
下江:「鈴木さん、すごくポジティブですね(笑)。逆に、こちら
が感動しています」
~次回へ続く~


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鈴木さんとの出会い

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ある日、ある場所で、一人の女性と出会いました。
彼女は、鈴木さんといって、がんと闘っています。
彼女との会話を、承諾をいただき掲載いたします。
鈴木さんの声・言葉から、多くのヒントや励み等を
見つけていただけると幸いです。

(敬称略:インタビュー日付-2014年8月)


●働きづめの看護師でした
下江:「私どものNPO活動にご協力いただき、感謝申し上げます」
鈴木:「がんを抱える私から、皆さんにお伝えして、何かお役に
    立てるのであれば、構いませんよ」
下江:「つい最近まで看護師でいらしたのですね?」
鈴木:「はい。それはもう働きづめでした(笑)。ケアマネージャー
    もやっていました。看護師をちょっとお休みしている時は、
    家事代行なんかもしていました」
下江:「お歳は?」
鈴木:「昭和32年生まれです」
下江:「小さい頃、どんな仕事に憧れていましたか?」
鈴木:「学校の先生です」

●子宮体がんです
下江:「現在のご病状はどのようですか?」
鈴木:「子宮体がんで、肺に転移しています。
    平成25年4月、子宮全摘出手術を受けましたが、すでに
    肺に転移していました。
    約1年間、抗がん剤治療を受けましたが、副作用の増強と
    それに伴う体力低下で、“今後の治療は続けられない”と
    宣告されました。
    今現在は、痛みと咳に対して麻酔剤で緩和ケアをして
    います。しかし、このままだと今後は酸素吸入も必要に
    なってきます」

●がん患者が語り合える場を
下江:「がんを克服なさったら、やってみたいことってあります
    か?」
鈴木:「そうですね、がん患者が安心して在宅で生活できる支援
    に関わりたいですね。がんカフェの企画や政府への働き
    かけ、ボランティア等、いろんな活動ですね。
    それと、ケアマネージャーの仕事にも戻りたいです」
下江:「その中でも特に、と思うことは何ですか?」
鈴木:「がん患者の方たちが語り合える場、患者会でもカフェ、
    ネットワークでもいいんですが、そういったものの
    必要性を強く感じますね。がん患者の方々もいろんな方、
    抗がん剤でよくなる方、病状が進行してしまう方など
    いろいろいらっしゃいます。みんな心細いんです。
    そんな方たちがお互いの状況を話し合えることだけでも、
    とても心強くなれるんです」

●好きな言葉は「チャレンジ」
下江:「ところで、好きなものや言葉はありますか?」
鈴木:「ハンカチや小物を集めるのが好きです。演劇や歌劇を
    見るのも好きです。いろんな人とのおしゃべり、
    それから花も好きです。
    好きな言葉は『ひとりを大切に!』、そして
    『チャレンジ!』です」
下江:「逆に嫌いなものや言葉は?」
鈴木:「ウソをつくことは嫌いですね。嫌いな言葉は、
    ネガティブな言葉です」
下江:「ご自身を動物に例えるとどんな動物ですか?」
鈴木:「何なんでしょう…、分からないですね(笑)」

●がんの方とお話をしたい
下江:「最後に皆さんへメッセージはありますか?」
鈴木:「私は、病気になる前からチャレンジすることが好きで、
    目標に向かって生きるタイプでした。
    もちろん、病気になってからいろんな葛藤はありまし
    たが、今は腹をくくって、自分の身体の中の元気な
    細胞が動いてくれれば生きていけると思っています。
    こんな身体ですので、限りはありますが、がんで
    苦しんでいる方がいらっしゃるのならば、どこへでも
    行って、お話をしたいと思っています。
    同じ患者として、何ができるということもないのです
    が、愚痴を聞いてあげるだけでも患者同士・人間同士
    『共感』できるんです。
    話せる場所があれば、今でも話に行ってはいるのです
    が、そこで患者の方から“パワーをもらいました”、
    “勇気をもらいました”と言っていただけると、私が
    がんばってる甲斐があるなと感じています(笑)」
下江:「今回はいろいろとありがとうございました。今後も、
    鈴木さんのご闘病を心から応援いたします」


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