●知ってますか?「ロコモーティブシンドローム」
高齢社会を迎えた日本。
高齢者の人口増加とともに、要介護の高齢者の増加が
問題になっています。
そこで、新たな国民病として注目されているのが、
『ロコモーティブシンドローム』(運動器症候群・通称:ロコモ)
なのです。
これは、加齢とともに筋肉や骨、関節などの運動器官の
機能が低下し、歩行などの運動・行動に障害が出て、
進行すると介護が必要になる可能性が高くなったり、
介護が必要になる状態のことをいいます。
40~50代の働き盛りの世代の方には、「介護はまだ、先の話だ…」と
思われているかもしれません。
しかし、ロコモは体力が低下を始める40代から始まっているのです。
その数は40歳以上の5人に4人と見られており、“ロコモ予備軍”と
なっているのです。
●ロコモ予備軍の原因は生活習慣…
ロコモの原因となるのは、主に「生活習慣」にあると
考えられています。
以下のような事項は、ロコモになりやすい生活習慣です。
また、
以上は、「ロコモ3大要因」といわれています。
いずれも加齢により骨や筋肉、関節の働きが低下する
ことで始まります。
運動器は使わないとどんどん衰えていきます。
このような状態が続けば、
「筋肉の減少で、骨や関節への負担が増加」
↓
「骨、関節の痛みで活動量が低下。さらに
筋力、骨量が減り、転倒や骨折に…」
↓
「ますます筋力が低下」
↓
「歩行が難しくなる」
↓
「介護が必要に…」
という、悪循環に陥ってしまいます。
●ロコモにならないためには…1.「骨」を強くする
人間の体を支える「骨」。その骨量は20代をピークとして、40代から
減少を始めます。特に女性は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の
リスクが高くなります。
まずは食事で骨を強くするように心がけましょう。
これらは骨の形成・維持に役立ちます。
また、適度な運動も大切です。骨は適度な負荷をかけることで強くなります。運動習慣のない人はウォーキングやラジオ体操等、簡単にできることから始めてみましょう。
●ロコモにならないためには…2.「筋肉」を強くする
骨格を支えつつ、私たちの体を動かしているのが「筋肉」です。
骨同様、20代をピークとして、30代から筋肉は低下を始めます。
特に、運動習慣のない人ほど衰えやすいのです。
しかし、「筋肉」は何歳からでも取り戻すことができます。
これらの食品を採るようにし、体を動かしましょう。
ウォーキング、サイクリング、水泳やジムでのトレーニング等、
関節に負担をかけないようにして筋力アップを目指しましょう。
ただし、筋力がついてきたと実感できるようになるのは、
おおよそ2~3週間かかることが多いため、すぐにあきらめずに
継続することが大切です。また、関節や筋肉に痛みが出たら
無理をせずに、自分のペースで運動しましょう。
●ロコモにならないためには…3.「関節・椎間板」を守る
2つ以上の骨が向き合い、靭帯と関節包によってつながれた
部分が「関節」です。背骨には、骨と骨の間に「椎間板」が
あり、背骨を支えると同時に体への衝撃を吸収しています。
「関節」「椎間板」には神経がないため、擦り減ったり、
変形が始まっても無症状であることが多いです。
しかし、擦り減り・変形が進行すれば、靭帯や周囲の
筋肉に負担をかけるようになり、破損した軟骨が炎症と
なったりして、痛みが出るようになります。
「関節」は使いすぎても、使わなくても障害が
出てきます。
「関節」「椎間板」の擦り減り・変形は40代から始まります。
「関節」「椎間板」を守るためには、その周囲の
筋力のアップと柔軟性を向上させることが大切です。
運動習慣のある人は、その運動を年齢・体力に合った
ペースで継続しましょう。
習慣のない人は、ストレッチ等の柔軟体操や水中歩行、
ウォーキング、サイクリング等、できることから
少しづづ始めてみましょう。
●ロコモ予防のため、生活動作の改善と“プラス・テン”のすすめ
まずは日常生活の動作を見直してみましょう。
現状より10分多く体を動かす「プラス・テン(=10分)」を
取り入れてみましょう。
●ロコモ予防に効果的な運動をご紹介
(1)「片脚立ち」…左右1分間ずつ×1日3回
バランス感覚が養われ、ほどよい負荷で脚の筋力アップも。
・ステップ2)「片脚立ち」が楽にできるようになったらチャレンジ。
「カーフレイズ」…1セット10~20回×1日2~3セット
(2)「スクワット」…1セット5~6回×1日3セット
坐る・立つ・歩くといった生活に必要な筋力を鍛えられます。
背中やお腹の筋肉にも効果が。
・ステップ2)「スクワット」が楽にできるようになったらチャレンジ。
「フロントランジ」…1セット左右5~10回ずつ×1日2~3セット
※ここでご紹介している運動は、歩行が自立している人を想定したもの
です。体力に自信がない場合は無理に実施しないでください。
●ロコモを予防して、介護の必要ない体づくりを
40歳を過ぎたら、生活習慣、食事、運動に気をつけて、元気な体づくり
を心がけましょう。
高齢者の方も、適度に肉を食べている人が長生きしているという報告
もあります。食事はもちろん、無理せずできるだけ体を動かすように
して、元気な生活を送るようにしましょう。
※「一般財団法人 大阪府社会保険協会」パンフより抜粋
※「ロコモ チャレンジ!推進協議会」:ホームページ
https://locomo-joa.jp/